誰にも相談せず、ある日突然会社を辞めていくあなたへ。72歳の私が伝えたい「心の護り方」

心の処方箋

朝、いつも通りに出社して、いつも通りにパソコンに向かい、淡々と仕事をこなす。周りから見れば、何の問題もない「真面目な社員」の一人。

なのに、ある日突然、一通の退職届を残して会社を去っていく。 最近、そんなふうに静かに職場を離れる人が増えていると聞きます。

そんなとき、周りの人間は口々にこう言います。 「何が不満だったんだろう」 「一言、相談してくれれば良かったのに」 「最近の若い人は、何を考えているか分からない」と。

……違いますよね。 相談しなかったのではない。相談しても無駄だと、とうの昔に諦めざるを得なかった。ただそれだけのことです。

「何かあればいつでも言ってね」と口では言うくせに、いざ話しかければパソコンの画面から目を離そうともしない上司。 本音を少しでも漏らせば、冷ややかな目で「自己責任だ」「要領が悪い」と切り捨てられる職場の空気。

そんな『言葉の通じない砂漠』のような場所で、これ以上自分の心をすり減らして、一体誰に本音を打ち明けろというのでしょうか。一生本音を隠して仮面をかぶって働くか、それとも誰にも何も言わずに静かに去るか。

そうするしか自分を護る方法がなかった人の気持ちが、私には痛いほど分かります。

私はかつて、昭和の猛烈な営業現場で働き、中間管理職も経験しました。 本来、仕事における人間関係というものは、親兄弟とも友人とも違う「他人の考え」を知り、そこに自分の考えをぶつけ合うことで、新しい道を切り開いていくものです。その摩擦やコミュニケーションの中でこそ、人は大きく成長します。

しかし、今の職場はあまりにも余裕がなく、上司自身も正しい部下指導を学ばないまま、自己流のやり方を押し付けてしまっている。 そんな環境で、ほんのちょっとのコミュニケーションのすれ違いから心を閉ざし、自己破壊してしまうのは、本当にもったいないし、悲しいことです。

もしあなたが今、「もう人と関わるのが怖い」「本音を言うと自分が壊れてしまいそうだ」と感じているなら、無理をして他人に心をぶつける必要はありません。

実は先日、私の娘と話していたときのことです。 彼女は、職場で上司から理不尽な要求をされて腹が立ったとき、なんと「生成AI(ChatGPTなど)」に相談していると言うのです。

話を聞いて驚きました。AIに愚痴や悩みを打ち明けると、決して否定することなく、とても冷静で的確なアドバイスをくれるのだそうです。彼女はそうやって、何度もAIに相談しながら自分の心を整理し、賢く自分を護っていました。

これを聞いて、私は「なんて素晴らしい自己防衛だろう」と感心しました。

人間が信じられなくなったときは、無理に人に相談しなくていい。 まずはAIを相手に、あなたの誰にも言えない本音や怒りを、すべて吐き出してみてください。AIはあなたを批判しませんし、自分のやり方を押し付けて傷つけることもありません。

まずはそこで安全に心を癒やし、客観的に自分を見つめ直し、自分を取り戻せばいいのです。そしていつか、心が十分に回復したときにだけ、また少しずつ現実の人間関係に向き合ってみればいい。

人間関係に疲れたら、一度その戦場から一歩引いて、安全な場所で息を吹き返す。 今の時代にある新しい道具を味方にして、あなたのペースで新しい人生を切り開いていってください。あなたはおかしくない。間違っていません。

【追伸】 このブログ『コトバのオアシス』もまた、あなたが人間関係にお休みして、自分を取り戻すための「安全なシェルター」です。

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